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News Report
No.4
急速に普及?新型贈与「相続時精算課税制度」
その有利な活用法は何かを探る!(前編)
−相続時精算課税制度の傾向と相続税対策(前編)−
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2004年10月20日
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贈与税(生前贈与)についてのお問い合わせの中で、最も多いのが「相続時精算課税制度」でした。そこで、今回は相続時精算課税についてお話したいと思います。皆さん、どんな使い方をしているのでしょうか? |
1.相続時精算課税制度とは? |
相続時精算課税制度について、簡単に解説いたします。この制度は、平成15年の税制改正により景気刺激策として設けられました。たとえば、父から長男、父から次男といった具合に、特定の親が特定の子に贈与した場合には、将来、相続が開始するまでは2,500万円まで贈与税をかけないというものです。2,500万円をオーバーしたときは、一律20%の課税となります。たとえば、3,000万円の贈与なら、
(3,000万円−2,500万円)×20%=100万円
100万円の贈与税です。この100万円の税金は、将来、相続が開始するまで仮払いしておき、相続が開始したら精算します。上記の例では、3,000万円を相続財産に加えて相続税を計算し、税額が100万円を超えたら差額を追加払いし、少なければ戻してもらいます。ただし、この制度には年齢制限があり、親は65歳以上、子は20歳以上(贈与した年の1月1日現在)でなければなりません。また、住宅資金の贈与の場合には特例があり、この特例を使うと、プラス1,000万円した3,500万円までは贈与税がかかりません。さらに、親の年齢制限なしというおまけつきです。
相続時精算課税制度を選択した場合には、贈与税の申告はもちろんのこと、この制度を選択した旨の届出も忘れずに申告期限までに提出しなければなりません。そして、一度この制度を利用すると、昔からある110万円までの基礎控除の暦年贈与制度へは変更できないのです。そのため、贈与財産の種類、金額、回数は問われないからといって、安易に相続時精算課税制度を選択することは避けたほうがよいでしょう。特に、ある程度の相続税の納税が予想される不動産オーナーの方など資産家の方には不向きな制度と一般的にはいわれています。相続はいつ発生するかわかりませんし、相続税の見直しも将来どうなるかわかりません。自己責任とはいえ、ご注意ください。 |
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2.贈与を受けた人は、申告期限までに! |
ついでに、いろいろある注意点の中からもう一つだけ説明することにしましょう。今年の贈与税の申告で、相続時精算課税制度を選択した方がメインとなります。これからの方も参考にどうぞ。
あなたは父から現預金1,500万円の贈与を受け、相続時精算課税制度を選択しました。もちろん期限内に申告と届出を済ませました。そして次の年に、また父から500万円の贈与を受けたとしましょう。ここで、注意することがあります。それは、まだ2,500万円まで1,000万円の枠があるから贈与税はかからないと安心してしまって、ついうっかり申告を忘れてしまわないで欲しいのです。もしも後でそのことに気が付いて、贈与税の申告書を期限後に提出したときには、せっかくの2,500万円の控除額が使えません。なぜなら、期限内に提出が要件だからです。もちろん、110万円の控除額の暦年贈与制度に戻ることはできません。その結果、500万円×20%=100万円の贈与税とペナルティーの加算税といった思わぬ税金を払わなければならなくなります。贈与した方も残念な結果になってしまいます。
ところで、このうっかりミスは来年の申告でどのくらい出てくるのでしょうか?今後、一回目の贈与と二回目の贈与の間に10年もの歳月が経ってしまった場合には…。「あれ?父からの枠はあとどのくらい残っていたかな?母からのは…?」ご利用は、計画的に。 |
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3.相続時精算課税制度はどのくらい普及しているのか? |
相続時精算課税制度を活用した相続税対策として、収益性の高いアパートなどを子に贈与する方法などが考えられていました。実際のところ、利用状況はどうなのでしょうか。
ところで、このほど財務省より、今年の確定申告でこの相続時精算課税制度を利用状況が公表されたのです。それによると、この制度の利用者数(受贈者、つまり贈与を受けた人の人数)は7万8千人で、贈与者(贈与した人)は延べ8万3千人。取得財産の総額は1兆1,621億円で、受贈者1人当たりの平均取得財産価額は1,485万円となっています。さらに取得財産を種類別でみてみると、現金預貯金等が全体の約54%(うち住宅取得等資金が全体の約34%)と最も多く、次いで土地(約33%)、有価証券(約8%)の順となっています。この調査は、財産種類別・年齢階層別のデータがあり、興味深くみることができます。
平成15年分 相続時精算課税制度に係る贈与税の申告実態調査
調査結果の概要(pdf)
今回は、一般的な相続時精算課税制度についての説明を中心に、財務省の調査結果概要についてご紹介しました。次回は、この調査結果から気づいた相続税対策の活用法などについて触れる予定でおります。もしかしたら、皆様が予想しなかった新たな活用方法が…。
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今後、採り上げて欲しいテーマなどがございましたら、「お問い合わせフォーム」よりお気軽にご連絡いただけると助かります。 |
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